きず、やけど ~湿潤療法~
~湿潤療法~
今までは傷があれば消毒を行い乾燥させる治療が行われていました。
現在これらの治療が見直され、2000年頃よりmoist wound healingを元に湿潤療法が行われるようになりました。
しかし、一部では簡便な方法として広まった事もあり実際の治療とは離れ、傷の悪化や治らないなどのトラブルが見られるようになりました。
きず、やけどの治療はただ単に湿潤させるだけでなく、適度な湿潤環境を保てるよう治療する事が大事になります。また、どんな傷も単に湿潤させたらいいものではなく、適切な前処置が必要になります。(例えば、猫に噛まれた傷は高い確率で感染が起こります。このような傷はしっかり傷を洗い、適切な処置が必要です。このような場合では感染が落ち着くまでは密閉する湿潤材料を使ってはいけません。)
当院では、きず、やけどの状態を判断して創傷被覆材や塗り薬を使用して早く治癒させる事を目標に治療を行います。
創傷被覆材
- ハイドロコロイド(ET、CGF)
- 薄型のハイドロコロイド粘着層と防水性ポリウレタンフィルム外層を持つ、半透明のハイドロコロイドドレッシングです。
- ハイドロサイト(薄型)
- 吸収性があり、ゲル化しないことから、創部をクリーンな状態に保ちつつ、治癒に最適な湿潤環境をつくります。
- アルギン酸塩(カルトスタット)
- 滲出液を吸収してゲルを形成、創傷治癒を促進し、止血促進作用があるアルギン酸塩ドレッシングです。