あざ
赤あざ・毛細血管拡張
保険適応
血管腫、血管奇形は広く「血管腫」と呼ばれてきましたが、実際には血管腫と血管奇形は別の疾患であり治療方針が異なります。現在では血管腫、血管奇形の国際学会では別の疾患としてISSVA分類に基づいた治療方針が標準化されつつあります。
乳児血管腫(いちご状血管腫)、静脈奇形(海面状血管腫)、毛細血管奇形(単純性血管腫、毛細血管拡張症)などの疾患があります。
近年では皮膚冷却装置付き長パルス幅色素レーザー(VbeamⅡ)が開発され低侵襲で治療効果が得られるようになってきました。
◎乳児血管腫(いちご状血管腫)
新生児に最も多い血管腫になります。
[経過]
通常1ヶ月までに皮疹が出現し、6ヶ月~12ヶ月でピークを迎え5歳までに50%、7歳までに75%の消退傾向がみられます。しかし、実際には最終的に色素沈着や色素脱失、膨らみなどが残存してしまう事があります。
最近では生後早い時期からレーザーをあてることで上記の合併症を軽減できることがわかってきました。
[治療]
○ レーザー治療(VbeamⅡ)
当院では生後よりレーザー治療を行っております。
毎回レーザーの反応見ながら波長、エネルギーを調節します。
通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行っております。
照射時間は数分になります。
レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
いちご状血管腫が退縮した後の瘢痕が気になる方の手術も行っております。
いちご状血管腫は経過をみることで自然に薄くなることが多いと言われてきましたが、完全に消退までいかず皮膚の質感の違いや赤みが残ることがあります。 大きくなる傾向があれば早期から(生後から)のレーザー治療や場合によっては内服治療が有効なことがあります。
◎毛細血管奇形(単純性血管腫)
[経過]
額や眼瞼部に生じた赤あざ(サーモンパッチ)や後頚部に生じた赤あざ(ウンナ母斑)は自然消退する事がありますが、他部位の赤あざは自然消退みられません。
思春期や妊娠などを契機に色調の変化がみられる事があります。
レーザー機器の進歩により以前より改善がみられるようになってきました。また,皮膚の薄い生後からレーザー治療を行うことで治療成績が良い傾向にあります。
[治療]
○ レーザー治療(VbeamⅡ)
当院では生後より積極的にレーザー治療を行っております。
毎回レーザーの反応見ながら波長、エネルギーを調節します。
通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行っております。
照射時間は数分になります。レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
◎毛細血管拡張症
[経過]
自然消退は少ないです。
小児、成人の顔にみられることがあります。
ふとももやふくらはぎにできることもあり、足のだるさや疲れやすさが出ることがあります。
[治療]
○ レーザー治療(VbeamⅡ)
当院では生後より積極的にレーザー治療を行っております。
毎回レーザーの反応見ながら波長、エネルギーを調節します。
通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行っております。
照射時間は数分になります。レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
毛細血管拡張症は体表面の刺激や加齢によりみられることがあります。レーザーを数回照射していくことで薄くすることができます。
青あざ
保険適応
異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性刺青などの疾患があります。
メラニンの吸収率が高い694nmの波長を持ったルビーレーザーの登場で皮膚色素病変の治療が有効になりました。
◎異所性蒙古斑
蒙古斑は新生児の腰臀部にみられますが、腰臀部以外にできた蒙古斑のあざを異所性蒙古斑といいます。
[経過]
色調の薄いあざは10歳頃までに消失する事が多いですが、濃いあざは成人になっても消えずに残ります。
皮膚の薄い生後からレーザー治療を行うことで早めの改善がみられるようになりました。
成人になってもレーザー治療を適切に行うことで改善が見込めます。
[治療]
- ○ レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)
- 当院では薄くすることを目標にレーザー治療を行っております。
- 通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行います。
- 照射時間は数分になります。
- レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
異所性蒙古斑の中で色調の薄いものは自然消退しますが
色調の濃いものに関しては消退が期待できず成人になっても残ることがあります。
当院では濃い色調のものは早期からのレーザー治療を行っております。
◎太田母斑
生まれつきや遅発性に思春期以降の女性に見られることがある片側顔面の青あざになります。まれに両側性にもみられます。
[経過]
一般に自然消退は見られません。
694nmの波長を持ったルビーレーザーの登場でレーザーの治療効果があがるようになりました。
[治療]
- ○ レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)
- 当院では薄くすることを目標に積極的にレーザー治療を行っております。
- 毎回レーザーの反応見ながらエネルギーを調節します。
- 通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行います。
- 照射時間は数分になります。
- レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
茶あざ
保険適応
◎扁平母斑
境界鮮明な褐色斑になります。
生まれつきのもの、小児期以降に出現するものがあります。
再発が多いあざになります。
[治療]
- ○ レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)
- 当院では薄くすることを目標にレーザー治療を行っております。
- 毎回レーザーの反応見ながらエネルギーを調節します。
- 通院は1.5~3ヶ月間隔でレーザー照射を行います。
- 照射時間は数分になります。
- レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
黒あざ
保険適応
◎ 色素性母斑
母斑細胞が増えたものになります。小さなものは「ほくろ」になります。
[経過]
自然治癒はありません。
[治療]
- ①レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、炭酸ガスレーザー) 自費診療
- 母斑細胞に選択的に吸収されるレーザーと選択的に吸収されないレーザーがあります。診察でどのレーザーが適しているのか判断し施術します。
- ②切除術
- 大きめの母斑やレーザー効果のみられない母斑に関して行います。
- 一度で切除できない場合は数回に分けて切除する分割切除や局所皮弁術、植皮術を選択できます。
外傷性刺青
保険適応
ケガなどをした際に砂利などが皮膚の中に入り込んで治ったために皮膚に色が残ってしまったものになります。
また、シャープペンシルや鉛筆などが皮膚に入ったりする事も原因になります。
[経過]
自然治癒はありません。 皮膚の浅い層にある黒色単色のものは薄くなりやすいです。
[治療]
- ①レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、炭酸ガスレーザー)
- 当院では薄くすることを目標にレーザー治療を行っております。
- 毎回レーザーの反応見ながらエネルギーを調節します。
- 照射時間は数分になります。
- レーザーの痛みは我慢できる方がほとんどですが、心配な方は貼る痛み止め、塗る痛み止めを用意しております。
- ②切除術
- 皮膚の深い層にある刺青や広範囲のものは切除を行います。